労働者派遣の手続きの流れ
労働者派遣の手続きの流れは以下の通りです。
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上記は「労使協定方式」における労働者派遣の手続きの流れですが、「派遣先均等均衡方式」における労働者派遣の手続き
の流れも、「(1)労使協定の締結」が無い意外は上記と全く同じ流れとなります。
「派遣事業の運用に関する各種書類」とは?
労働局から指導を受ける「派遣事業の運用に関する各種書類」とは、以下の書類となります
(1) 労使協定(派遣法第30条の4第1項)(上記の図の(1))
→ 労使協定方式を採用した場合の派遣労働者の賃金額を記載した書類。
派遣会社が作成し、原則、そのコピーを派遣労働者に渡さなければいけません。
(2) 派遣労働者として雇用しようとするときの説明に係る書面(派遣法第31条の2第1項)(上記の図の(4))
→ 派遣労働者が最初に面接等に来た際に、賃金の見込額や保険の加入の有無等を記載した書類。
派遣会社が作成し、派遣労働者に渡さなければいけません。
(3) 派遣先からの抵触日通知書(派遣法第26条第5項)(上記の図の(5))
→ 派遣先(派遣労働者を受け入れる会社)が派遣労働者を受け入れることができる期限(最初に派遣労働者を受け
入れた日から3年)を記載した書類。
派遣先が作成し、派遣先から派遣会社に渡さなければいけません。
(4) 派遣先から提供を受けた比較対象労働者の待遇情報(派遣法第26条第9項)(上記の図の(6))
→ 派遣先(派遣労働者を受け入れる会社)の正社員が受ける教育訓練や休憩室・食堂・更衣室の有無等を記載した
書類。
派遣先が作成し、派遣先から派遣会社に渡さなければいけません。
(5) 労働者派遣契約書(個別契約書)(労働者派遣法(以下「派遣法」とする)第26条第1項)(上記の図の(7))
→ 派遣会社と派遣先との派遣契約の内容を記載した書類。
派遣会社と派遣先とで共同して作成し、双方1部ずつ保管しなければいけません。
(6) 就業条件明示書(派遣法第34条第1項)(上記の図の(9))
→ (5)の労働者派遣契約書の内容を派遣労働者に伝えるための書類。
派遣会社が作成し、派遣労働者に渡さなければいけません。
(7) 派遣労働者への派遣料金の明示資料(派遣法第34条の2)
→ 派遣会社が受けている派遣料金額を派遣労働者に伝えるための書類。通常、(6)の就業条件明示書の中に記載。
派遣会社が作成し、派遣労働者に渡さなければいけません。
(8) 派遣労働者として雇い入れようとするときの明示及び説明に係る書面(派遣法第31条の2第2項)(上記の図の(10))
→ 派遣労働者と雇用契約を結ぶときに、昇給や賞与、退職金の有無などを記載した書類。
派遣会社が作成し、派遣労働者に渡さなければいけません。
(9) 労働者派遣をしようとするときの明示及び説明に係る書面(派遣法第31条の2第3項)(上記の図の(11))
→ 派遣労働者を派遣するときに、「労使協定の対象となる派遣労働者か否か」等を記載した書類。
派遣会社が作成し、派遣労働者に渡さなければいけません。
(10) 派遣先への通知書(派遣法第35条第1項)(上記の図の(12))
→ 派遣労働者を派遣するときに、派遣労働者の氏名や性別等を記載した書類。
派遣会社が作成し、派遣先(派遣労働者を受け入れる会社)に渡さなければいけません。
(11) 派遣元管理台帳(派遣法第37条第1項)(上記の図の(14))
→ 派遣契約の内容や実施した教育訓練の内容、派遣労働者からの苦情の処理、雇用安定措置を行った場合の内容等
を記載した書類。
派遣会社が作成し、3年間保管が必須です。
(12) 派遣先からの就業状況等の通知(派遣法第42条第3項)(上記の図の(16))
→ 月々の派遣労働者の出勤日、実際に働いた始業・終業時間や休憩時間等を記載した書類。
派遣先(派遣労働者を受け入れる会社)が作成し、毎月、派遣会社に渡さなければいけません。
(13) マージン率等の事業所情報(派遣法第23条第5項)
→ 直近の派遣会社の在籍している派遣労働者数、取引している派遣先の数、マージン率、教育訓練の内容等を記載
した書類。
派遣会社が作成し、ホームページ等で外部に公表しなければいけません。。
(14) 教育訓練計画
→ 派遣法で定められた派遣労働者が入社から3年目までの間に実施する教育訓練の内容を記載した書類。
派遣会社が作成しなければいけません(通常は、派遣の許可を取得するときに作成している)。
「派遣事業の運用に関する各種書類」を作成する際の注意事項
「派遣事業の運用に関する各種書類」する際の注意事項は、以下の通りです。
(1) 労使協定(派遣法第30条の4第1項)(上記の図の(1))
→ ・労使協定は原則、毎年、作成しなおす必要があります。
・職業安定局長通達をもとに労使協定は作成しますが、かなり細かいルールがあり、そのルールを知らずに作成
した場合は、労働局から指導を受け、再度、労使協定を作成しなければいけません。
・また、職業安定局長通達の基準を満たさない賃金額を設定している場合は、差額を遡って派遣労働者に支払わ
なければいけません。
(2) 派遣労働者として雇用しようとするときの説明に係る書面(派遣法第31条の2第1項)(上記の図の(4))
→ ・多くの派遣会社がこの書類の存在を知らず、よく、労働局から指導を受ける書類です。
・派遣の応募に来た労働者と初めて会うときに、書面で渡す書類となります。
(3) 派遣先からの抵触日通知書(派遣法第26条第5項)(上記の図の(5))
→ ・派遣先と最初に派遣契約を締結する時だけではなく、派遣契約を更新するときも毎回、派遣先から派遣会社に
対し、渡す必要があります。このことを知らず、多くの派遣会社が労働局から指導を受ける書類です。
(4) 派遣先から提供を受けた比較対象労働者の待遇情報(派遣法第26条第9項)(上記の図の(6))
→ ・派遣先と最初に派遣契約を締結する時だけではなく、派遣契約を更新するときも毎回、派遣先から派遣会社に
対し、渡す必要があります。このことを知らず、多くの派遣会社が労働局から指導を受ける書類です。
(5) 労働者派遣契約書(個別契約書)(労働者派遣法(以下「派遣法」とする)第26条第1項)(上記の図の(7))
→ ・労働者派遣契約書(個別契約書)に記載しなければいけない内容は、派遣法で細かく定められており、多くの
派遣会社はそのルールを知らず、労働局から指導を受ける書類です。
(6) 就業条件明示書(派遣法第34条第1項)(上記の図の(9))
→ ・(5)の労働者派遣契約書の内容を派遣労働者に伝えるための書類ですが、記載しなければいけない内容は、
派遣法で細かく定められており、多くの派遣会社はそのルールを知らず、労働局から指導を受ける書類です。
(7) 派遣労働者への派遣料金の明示資料(派遣法第34条の2)
→ ・通常、(6)の就業条件明示書の中に記載していますが、多くの派遣会社が「派遣料金額」ではなく、
「派遣労働者の賃金額」を記載しており、労働局から指導を受けます。
(8) 派遣労働者として雇い入れようとするときの明示及び説明に係る書面(派遣法第31条の2第2項)(上記の図の(10))
→ ・多くの派遣会社がこの書類の存在を知らず、よく、労働局から指導を受ける書類です。
・派遣労働者と雇用契約を結ぶ度に、書面で渡す書類となります。
(9) 労働者派遣をしようとするときの明示及び説明に係る書面(派遣法第31条の2第3項)(上記の図の(11))
→ ・多くの派遣会社がこの書類の存在を知らず、よく、労働局から指導を受ける書類です。
・派遣先と派遣会社との派遣契約を更新する都度、派遣労働者に書面で渡す書類となります。
(10) 派遣先への通知書(派遣法第35条第1項)(上記の図の(12))
→ ・派遣労働者を派遣するときに、派遣労働者の氏名や性別、60歳以上か否か、45歳以上の場合はその旨、
18歳未満の場合はその旨等を記載した書類を派遣会社から派遣先に渡すのですが、実際の派遣労働者の年齢や
法律で定められた記載内容以外の派遣労働者の個人情報(学歴や以前在籍していた会社名等)を記載すると労働局
から指導を受けます。
(11) 派遣元管理台帳(派遣法第37条第1項)(上記の図の(14))
→ ・派遣元管理台帳に記載しなければいけない内容は、派遣法で細かく定められており、多くの派遣会社はその
ルールを知らず、労働局から指導を受ける書類です。
(12) 派遣先からの就業状況等の通知(派遣法第42条第3項)(上記の図の(16))
→ ・月々の派遣労働者の出勤日、実際に働いた始業・終業時間や休憩時間等を記載しなければいけないのですが、
よく、日々の休憩時間の記載漏れで労働局から指導を受けます。
・また、派遣先の事業所名や業務内容も記載していないと労働局から指導を受けます。
(13) マージン率等の事業所情報(派遣法第23条第5項)
→ ・直近の派遣会社に在籍している派遣労働者数、取引している派遣先の数、マージン率、教育訓練の内容等を記載
した書類ですが、この書類の存在を知らない派遣会社が多く、作成していないと労働局から指導を受けます。
・派遣労働者数や派遣先の数、マージン率等は毎年、6月30日までに提出する事業報告書の内容を踏まえて、
更新しなければいけません。
・原則、インターネットで公開していないと労働局から指導を受けます。
(14) 教育訓練計画
→ ・派遣法で定められた派遣労働者が入社から3年目までの間に実施する教育訓練の内容を記載した書類ですが、
教育訓練を実施していない派遣会社も多く、派遣の許可申請の際に提出しているのですが、教育訓練計画自体
がどこにいったか分からないという派遣会社も多いです。
・教育訓練計画を作成していないと、労働局から指導を受けることはもとより、派遣の許可更新の際に「教育訓練
を必ず実施すること」という内容の条件が付され、教育訓練を実施していないことが発覚すると、派遣の許可の
取り消しを受けます。
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