労働局の調査は突然やってくる!

派遣法に関する労働局の調査はある日突然やってきます。

特に何の前触れもなく、いきなり労働局から電話または郵便で調査を実施する旨の連絡がきます。

季節や時期も特に関係なく1年を通して労働局は調査を実施しています。


「今まで、そんな調査を受けたことがない」という派遣会社もあるかもしれませんが、それはたまたま御社が調査対象に当たらなかっただけで、全ての派遣会社が「派遣事業に関する調査」の対象となります。

「派遣事業に関する調査」は各都道府県の労働局の中の需給調整事業課(皆さんが派遣事業の許可申請を行なった部署)が実施するのですが、東京や大阪などの大都市圏では派遣会社も多いため、1年間に調査できる数も限られることから、調査対象とならないこともよくあります。

「調査対象にならないんだったら気にしなくてもいいか」と思われた方もいるかもしれませんが、「派遣事業に関する調査」は毎年実施されます。

調査対象は直近に調査していない派遣会社が優先されるので、今まで調査を受けていない派遣会社もいつかは必ず調査対象となります。

2020年4月1日の派遣法改正以降、労働局の「派遣事業に関する調査」の指導件数が大幅に増加されており、1年間に数回、労働局の調査を受ける派遣会社もあります。

労働局の調査は「書類調査」と「訪問調査」の2種類がある

労働局の調査には「書類調査」と「訪問調査」の2種類があります。

「書類調査」とは、労働局から期限までに一定の書類(書類の種類は調査の種類によって異なります)の提出を求められ、それを郵送または労働局に持参して提出し、後日、その書類の内容に不備があれば是正指導を
受けるというものです。

「訪問調査」とは、事前に労働局から「○月○日の○時に、会社に訪問するので一定の書類を準備するよう」連絡があり、当日、労働局が訪ねてきて書類の確認や会社の中を確認し、不備があれば後日、是正指導を受けるというものです。

労働局の調査の流れ

労働局の調査の流れは、
 ① 労働局から電話で、事前に派遣法に関する調査を実施する旨の連絡がくる
   (電話連絡なしで調査案内の書類が届く場合もあります)
 ② 書面にて調査案内が届く
   (書類調査の場合は「○月○日までに、以下の書類を提出してください」というもの)
   (訪問調査の場合は「○月○日の○時に会社に行くので、以下の書類を準備しておいてください」というもの)
 ③ 調査を実施
 ④ 不備があれば、是正指導書が労働局から会社に渡される
   (是正指導書は原則、労働局に出向いて受け取る必要があります)
 ⑤ 是正期限(是正指導書を渡された日から1ヶ月)までに是正報告書を提出して終了
 ⑥ 提出期限までに提出できない場合は、再度、是正指導を受ける可能性があります
   (是正指導は、是正報告が完了するまで終了しません)

調査の種類

派遣法に関する労働局の調査には、
 ① 定期調査
 ② 労使協定点検
 ③ 同一労働同一賃金調査
の3種類があります。

① 定期調査

定期調査とは

定期調査とは、派遣元又は派遣先において派遣事業に係る一連の書類が適正に作成・保管されているかを確認する調査です。

定期調査の内容

定期調査では、派遣事業で作成が義務付けられている抵触日通知や個別契約書、就業条件明示書などの書類が作成されているか、それぞれの書類に派遣法で義務付けられている内容が記載されているか、等を確認します。

定期調査の調査対象

定期調査では、主に派遣元(派遣会社)が調査対象となりますが、派遣先(派遣労働者を受け入れている会社)も調査対象となることがあります。
また、派遣元を定期調査していて、派遣元から労働局に提出された書類のうち、派遣先からもらう書類(例えば、抵触日通知や比較対象労働者の情報提供、派遣労働者の就業実績の通知等)に不備があれば派遣先を是正指導することもあります。

定期調査を受けた場合のリスク

派遣元(派遣会社)が定期調査を受け、労働局から是正指導された場合は、不備を指摘された書類等を修正し、1ヶ月以内に労働局にそれらの書類を提出すれば是正指導は終了となります。
しかし、派遣先(派遣労働者を受け入れている会社)が是正指導された場合は、注意が必要です。
派遣先とすれば、「わしら何も知らんから派遣元に任せてたのに労働局から指導受けるとはどういうことや!もうお前ら(派遣元)とは派遣契約結ばんからな!」となり、派遣元と派遣先とのトラブルに発展する可能性があります。

② 労使協定点検

労使協定点検とは

労使協定点検とは、労使協定方式を採用している派遣元に対して、労使協定が適正に作成・保管されているかを確認する調査です。

労使協定点検の内容

労使協定点検では、派遣法で定められた項目が労使協定に記載されているか、労使協定の締結に際し労働者の代表者が適切に選任されているか等を確認します。

労使協定点検の調査対象

労使協定点検の調査対象は、派遣元(派遣会社)のみとなります。

労使協定点検を受けた場合のリスク

労使協定点検を受けた際に、労使協定に定めた派遣労働者の賃金額が、派遣法(具体的には職業安定局長通達)に定める賃金額よりも低い場合は、遡って差額を派遣労働者に支払うよう指導を受けます。

③ 同一労働同一賃金調査

同一労働同一賃金調査とは

同一労働同一賃金調査とは、派遣元に対して、同一労働同一賃金に基づく賃金額が派遣労働者に適正に支払われているかを確認する調査です。

同一労働同一賃金調査の内容

同一労働同一賃金調査では、比較対象労働者の情報提供が適正に行われているか、比較対象労働者の情報提供に基づいて派遣労働者の賃金が適正に支払われているか(派遣先均等均衡方式)、労使協定に基づいて派遣労働者の賃金が適正に支払われているか(労使協定方式)、等を確認します。

同一労働同一賃金調査の調査対象

同一労働同一賃金調査の調査対象は、原則、派遣元(派遣会社)ですが、比較対象労働者の情報提供が適正に行なわれていない場合などは派遣先も調査対象となります。

同一労働同一賃金調査を受けた場合のリスク

同一労働同一賃金調査を受けた際に、派遣労働者の賃金額が、同一労働同一賃金に基づく賃金額よりも低い場合は、遡って差額を派遣労働者に支払うよう指導を受けます。

また、比較対象労働者の情報提供が適正に行われていない場合などは派遣先に対しても適正に書類を作成するよう是正指導を行うため、派遣先とすれば、「わしら何も知らんから派遣元に任せてたのに労働局から指導受けるとはどういうことや!もうお前ら(派遣元)とは派遣契約結ばんからな!」となり、派遣元と派遣先とのトラブルに発展する可能性があります。

当事務所が提供するサービス

定期調査対応

派遣事業に係る一連の書類について派遣法に基づいた様式を提供し、派遣元だけではなく派遣先も労働局から是正指導を受けないよう対応いたします。

労使協定点検対応

労使協定は、毎年、作り直さなければならず、内容も複雑であるため手を焼いている派遣会社さんも多いのではないでしょうか?
当事務所では、派遣法に抵触せず、かつ、派遣会社様の要望にできるだけ沿った内容の労使協定を作成・提供し、労働局から是正指導を受けないよう対応いたします。

同一労働同一賃金調査対応

比較対象労働者の情報提供や労使協定等の書類について派遣法に基づいた様式を提供し、派遣元だけではなく派遣先も労働局から是正指導を受けないよう対応いたします。

労働局から調査の依頼があった場合は、出来るだけ早く当事務所にご連絡ください!

上記で説明した労働局の調査への対応はある程度の時間を要します!
「明日、労働局へ書類を提出する期限やねんけど、対応お願いします」と言われても対応できかねる場合があります。
したがって、労働局から調査の依頼があった場合は、出来るだけ早く当事務所にご連絡ください!

また、「当事務所のことを知ったのが最近だったため連絡するのがギリギリになった」等やむを得ない事情がある場合でも当事務所へご相談ください!何とか対応させて頂ける場合がございます。

料金のご案内

  • 労働局需給調整事業部(課)から調査を受けている事業所様が対象となります。
  • 労働局需給調整事業部(課)から指導を受けないよう対処いたします。
  • 下記の報酬額のほか、遠方の場合は別途、交通費等を頂戴する場合があります。
  • 当事務所での標準的な報酬額は、下記の通りです。実際には、依頼される具体的な業務内容や範囲によって報酬額は異なりますので、お話を伺った上で、お見積いたします。
サービス内容報 酬 額
労働局需給調整事業部(課) 調査対応150,000円(税別)〜