労使協定に定めなければいけない事項

 労使協定に定めなければいけない事項は以下の通りです。

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②「派遣労働者が従事する業務と同等の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(以下「一般賃金」という)の額と同等以上の賃金の額となるものであること」とは?


今回の内容が労使協定に定める事項の中で一番重要な部分となります


「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(以下「一般賃金」という)の額と同等以上の賃金の額となるものであること」とは、
 → 職業安定局長通達で公表されている派遣労働者専用の職種ごとの最低賃金表に表示
   されている時給額よりも高い時給額を派遣労働者に支払うことを労使協定の中に
   記載しなければならないということになります。



もう少し具体的にいうと、
 ① 職業安定局長通達に記載されている「一般賃金額(基本給+賞与額+手当額(通勤
   手当を除く)を含んだ額のこと)」以上の額の時給を派遣労働者に支払うことを
   労使協定に記載すること
 ② ①とは別に、職業安定局長通達に記載されている「通勤手当額」以上の額の通勤手
   当を支払うことを労使協定に記載すること
 ③ ①・②とは別に、職業安定局長通達で示された「退職手当額」以上の額の退職手当
   を支払うことを労使協定に記載すること

となります。


派遣先均等・均衡方式では、原則、派遣先の正社員に支払われている手当の種類や額に応じた賃金額を派遣労働者に対しても支払わなければいけませんが、労使協定方式では、有無を言わせず、
 ① 一般賃金額(基本給+賞与+手当(通勤手当を除く)を含んだ額)
 ② 通勤手当
 ③ 退職手当

を支給しなければいけません。

労使協定に記載しなかった場合


いくら派遣元が「うちは派遣労働者以外の社員にも退職手当を支払っていないのに、派遣労働者にだけ支払わなければいけないのはおかしい!」と言っても、上記の①〜③の賃金を支払うことを労使協定に記載しなければ労使協定の内容としては不備となり、労働局から作成し直すよう指導を受けます。


また、場合によっては、労使協定方式ではなく、派遣先均等均衡方式を適用するよう指導を受ける可能性もあります。


つまり、労使協定方式では絶対に上記の①〜③の賃金を支払う内容を記載し、実際に支払わなければいけません。


では、上記の①〜③の賃金をどのように労使協定に定めたらいいのか?ということになりますが、ここからは非常にややこしい内容となるので、実際の記載内容については次回以降、複数回にわたり解説していきたいと思います。


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