みなさん、こんにちは。派遣事業の許可更新手続きや、労働局の派遣法に関する調査対応を専門にしている社会保険労務士の東谷です。

本日より、noteで記事を掲載していくことにしました。

このnoteでは、派遣会社を経営される方や、社内で派遣の実務を担当されている方に向けて、現場で本当に役立つ情報をお届けしていきます。

第1回のテーマは、多くの派遣会社が「まさかうちに来るとは」と驚かれる、労働局の派遣調査です。

「うちは大丈夫」は通用しません

派遣法に関する労働局の調査は、前触れなくやってきます。ある日、電話や郵便で「調査を実施します」という連絡が入ります。季節や時期は関係なく、一年を通じて行われています。

「今まで一度も調査を受けたことがない」という会社もあるかもしれません。ですが、それは御社が問題ないからではなく、たまたま対象に当たらなかっただけ、というのが実際のところです。すべての派遣会社が調査の対象になり得ますし、直近で調査を受けていない会社ほど、次の対象に選ばれやすくなります。

近年は調査の件数そのものが大きく増えています。「連絡が来てから慌てて準備する」のでは間に合わないことが多く、日頃の備えがものを言う分野なのです。

派遣調査には3つの種類があります

ひとくちに「労働局の調査」といっても、実は次の3つに分かれます。

  1. 定期調査 … 派遣事業で作成が義務づけられた帳票が、正しく作られ、保管されているかを確認するもの。いちばん一般的な調査です。
  2. 労使協定点検 … 労使協定方式をとっている会社に対して、協定の内容や運用が適正かを確認するもの。
  3. 同一労働同一賃金調査 … 派遣労働者の賃金が、ルールどおりに適正に支払われているかを確認するもの。

御社がどの方式で待遇を決めているかによって、見られるポイントも変わってきます。

定期調査で「よく見られる」ポイント(一例)

もっとも多い定期調査では、たとえば次のような点が確認されます。あくまで一例ですが、日頃の実務を振り返る材料にしてみてください。

  • 労働者派遣(個別)契約書に、法律で必要な事項がすべて記載されているか。契約書を古い様式のまま使っていると、法改正で追加された記載事項が抜け落ちていることがあります。
  • 派遣元管理台帳が作成され、3年間保管されているか。
  • 就業条件明示書を派遣労働者へ交付しているか。
  • 抵触日通知を派遣先から受け取り、きちんと管理しているか。
  • 教育訓練(キャリアアップ)を計画・実施し、その記録が残っているか。

こうして並べてみると、どれも「ふだんから正しくやっていれば怖くない」ものばかりです。裏を返せば、一つひとつは地味でも、抜けがあると指摘の対象になり得る、ということでもあります。

慌てないために、いちばん大切なこと

調査対応で本当に効くのは、特別な裏ワザではなく、日頃の備えです。

契約書や台帳などの帳票を、定期的に自分でチェックしておく。方式に応じて労使協定や賃金の扱いを見直しておく。この積み重ねがあれば、いざ連絡が来ても落ち着いて対応できます。

もし調査で指摘を受けても、それで終わりではありません。指摘された点を改善し、「是正報告書」できちんと対応すれば、事業を続けていくことができます。大切なのは、慌てず、正しい手順で対応することです。

おわりに

派遣の調査対応や許可更新の手続きは、法改正も多く、専門的で分かりにくい分野です。「これで合っているのか不安」「連絡が来たがどう動けばいいか分からない」ということがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

このnoteでは、これからも派遣会社の実務に役立つ情報を、できるだけ分かりやすくお届けしていきます。よろしければフォローして、次の記事もお読みいただけると嬉しいです。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。実際の調査で確認される項目は、労働局から送付される事前調査票や自主点検表の内容が基準となり、個別の状況により異なります。

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 本書は、3年間、大阪労働局の需給調整事業部(派遣法の指導監督を行っている部署)で需給調整事業専門相談員として派遣会社や派遣先の企業、社労士や弁護士の方からの相談業務を担当していた筆者が、労働者派遣法のことが全く分からない方や派遣業務が未経験の方でも簡単に派遣関係書類(今回説明させていただいた労使協定や個別契約書等)が作成できるよう、記載例も掲載しわかりやすく解説させていただいています。

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 労働局の調査に頭を悩まされている派遣元の担当者の方や派遣先の担当者の方、社会保険労務士の先生方など派遣業務に携われる方は是非、ご一読ください!

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