こんにちは。派遣法や偽装請負、フリーランス法まわりの実務を専門にしている社会保険労務士の東谷です。

以前、フリーランス法の全体像を解説する記事を書きましたが、今回は、発注する会社の方からよくいただくフリーランス法にまつわる疑問を、Q&A形式でまとめました。
「うちのやり方は大丈夫だろうか」と気になっている方の、確認の材料にしていただければと思います。

Q1. うちのような会社も、フリーランス法の対象になりますか?

A. なる可能性が高いです。
従業員を雇って事業を営んでいて、フリーランスに仕事を発注している会社であれば、資本金の額や業種を問わず、ほぼすべての会社が対象になり得ます。
「小さい会社だから関係ない」ということはありません。
まずは、自社が誰に発注しているかを見渡してみることをおすすめします。


Q2. そもそも、どんな人が「フリーランス」に当たりますか?

A. この法律でいうフリーランスとは、従業員を雇っていない個人や一人会社を指します。
専業のデザイナーやライターだけでなく、対象は幅広く、従業員を雇っていない士業(弁護士・税理士・社会保険労務士など)の方や、本業とは別に休みの日だけ副業で仕事を受けている方も含まれます。
「専門家の先生に頼んでいる」「副業の個人に手伝ってもらっている」といったケースも対象になり得ます。


Q3. 契約書を交わさず、口頭で発注していますが、問題ありますか?

A. 問題があります。
フリーランス法では、業務を委託する際に、取引条件を書面またはメール等で明示することが義務づけられています。口頭だけの発注は認められません。
業務の内容、報酬額、支払期日などを明示する必要があります。「いつも口約束で頼んでいる」という場合は、早めに発注書の形を整えておきましょう。


Q4. 報酬の支払いは、いつまでにすればいいですか?

A. 原則として、成果物を受け取った日から60日以内の、できるだけ短い期間内に支払う必要があります。
たとえば「月末締め・翌月末払い」であれば問題ありませんが、「翌々月払い」のような慣行は、60日を超えてしまい違反になることがあります。
自社の支払サイトが60日以内におさまっているか、一度確認しておくと安心です。


Q5. 同じフリーランスに1か月以上、継続して頼んでいます。気をつけることは?

A. 1か月以上の業務委託では、7つの禁止行為に注意が必要です。
正当な理由のない報酬の減額、受領拒否、返品、買いたたきなどが禁止されています。
ここで大切なのは、たとえフリーランス本人の了解を得ていても、また会社に違反の意識がなくても、これらは法律違反になるという点です。「相手も納得しているから」は理由になりません。


Q6. 違反すると、どうなりますか?

A. 違反があると、公正取引委員会などによる指導や勧告の対象となり、従わない場合には会社名が公表されることもあります。
施行後は、実際に指導や勧告の事例が数多く出ており、「様子見でよい」段階ではありません。早めに社内の発注のやり方を整えておくことをおすすめします。



おわりに

フリーランスへの発注は、いまや多くの会社で当たり前になっているぶん、知らないうちにルールに触れてしまうリスクも身近になっています。「うちの発注のやり方は大丈夫だろうか」と気になったら、自己判断で進める前に、一度ご相談いただくのが安心です。

このnoteでは、これからも派遣・請負・フリーランスにまつわる実務の話を、分かりやすくお届けしていきます。


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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。フリーランス法の適用の有無や義務の詳細は、取引の実態により異なります。具体的な対応にあたっては、当事務所にご相談ください。

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