有料職業紹介事業の許可申請・許可更新を、
労働局で審査を担当した社会保険労務士が支援します。
有料職業紹介事業を始めるには、厚生労働大臣の許可が必要です。また、許可には有効期間があり、期限までに更新の手続きを行わなければ、事業を続けることができなくなります。
弊所では、大阪労働局・兵庫労働局の需給調整部門で計4年間、許可の審査と事業所の調査を担当した社会保険労務士が、許可要件の確認から申請書類の作成・提出までをお手伝いします。
1 こんなときにご相談ください
許可の要件を満たしているかの確認から、規程類の作成、申請までをお手伝いします。
更新の申請には期限があります。事業報告や変更届の出し漏れがないかもあわせて確認します。
紹介予定派遣を行う場合など、労働者派遣事業の許可だけでは足りない場合があります。
事業所や役員、職業紹介責任者などに変更があったときは、変更の届出が必要となります。
2 許可の有効期間と更新の時期
職業安定法(昭和22年法律第141号。以下「職安法」という。)第32条の6では、有料職業紹介事業の許可の有効期間が定められています。
つまり、新規許可の有効期間は許可の日から3年、更新後の有効期間は5年となります。
そして、更新の申請は、許可の有効期間が満了する日の3か月前までに、事業主を管轄する労働局へ行う必要があります。労働局の案内でも、この期限を過ぎた申請は認められないとされていますので、ご注意ください。
例えば、許可の有効期間が2027年3月31日に満了する場合、2026年12月末までに更新の申請を済ませておく必要があります。具体的な期限の日は、許可証に記載されている有効期間をもとに、管轄の労働局でご確認ください。
更新の申請には、直近の決算書類や法人税の納税証明書、職業紹介責任者講習の受講証明書などが必要となります。また、変更届や事業報告書の提出漏れがある場合は、更新の申請に先立って、それらを提出しなければなりません。
したがって、許可の有効期間の満了日から逆算し、余裕をもって準備を始めることをおすすめします。
3 許可を受けるための主な要件
許可の基準は職安法第31条第1項に定められており、具体的な判断の基準は、厚生労働省の「職業紹介事業の業務運営要領」で示されています。主な要件は次のとおりとなります。
- 1取り扱う職業の範囲港湾運送業務に就く職業、建設業務に就く職業などは、有料職業紹介事業で取り扱うことができません(職安法第32条の11)。
- 2財産的基礎(職安法第31条第1項第1号)基準資産額(資産の総額から負債の総額を控除した額)が「500万円×事業所数」以上であり、かつ、自己名義の現金・預貯金が「150万円+60万円×(事業所数-1)」以上であることが必要です。申請時の直近の決算書で確認されます。
- 3個人情報の適正な管理(同項第2号)求人者・求職者の個人情報を適正に管理し、秘密を守るための措置が講じられていることが必要です。個人情報適正管理規程を定めます。
- 4代表者・役員の欠格事由(同項第3号・職安法第32条)代表者や役員が、職安法第32条に定める欠格事由に該当しないことが必要です。
- 5職業紹介責任者成年に達した後3年以上の職業経験があり、職業紹介責任者講習を受講していることが必要です。受講の時期は、新規許可の場合は申請受理日の前5年以内、更新の場合は許可の有効期間が満了する日の前5年以内となります。
- 6事業所職業紹介事業に使用できる面積がおおむね20㎡以上あり、求人者・求職者の秘密を守ることができる構造であることが必要です。
- 7業務の運営に関する規程業務の運営に関する規程を定めていることが必要です。
例えば、2つの事業所で有料職業紹介事業を行う場合、基準資産額は500万円×2=1,000万円以上、現金・預貯金は150万円+60万円×(2-1)=210万円以上が必要となります。
ちなみに、2025年1月1日以降の許可・更新では、「紹介により無期雇用で就職した方への、就職した日から2年間の転職勧奨の禁止」と「お祝い金などの名目で金銭等を提供して求職の申込みを勧奨することの禁止」が、許可の条件に加えられています。
また、更新の際にも財産的基礎の確認があります。大阪労働局の更新の案内では、基準資産額が「更新する事業所数×350万円」以上であることが、事前に確認する事項として示されています。
4 主な必要書類
法人の場合の主な書類は次のとおりです。事業所や役員の状況によっては、追加の書類を求められる場合があります。
- 有料職業紹介事業許可申請書(様式第1号)
- 有料職業紹介事業計画書(様式第2号・事業所ごと)
- 定款、登記事項証明書
- 役員の住民票・履歴書
- 直近の事業年度の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書
- 法人税の納税申告書(別表1・別表4)、納税証明書(その2)
- 事業所の使用権を示す書類(賃貸借契約書など)
- 個人情報適正管理規程、業務の運営に関する規程
- 手数料表(届出制手数料の場合)
- 職業紹介責任者の講習受講証明書・住民票・履歴書
- 有料職業紹介事業許可有効期間更新申請書(様式第1号)
- 有料職業紹介事業計画書(様式第2号・事業所ごと)
- 直近の事業年度の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書
- 法人税の納税申告書(別表1・別表4)、納税証明書(その2)
- 職業紹介責任者講習の受講証明書
- 業務の運営に関する規程
- 定款、登記事項証明書(すでに提出したものに変更がある場合)
5 手続きの流れ
新規許可の場合
- 1職業紹介責任者講習の受講許可の申請の前に、職業紹介責任者となる方が職業紹介責任者講習を受講しておく必要があります。
- 2許可要件の確認・事業所の準備財産的基礎、事業所の面積や構造、役員の欠格事由などを確認します。
- 3申請書類・規程類の作成事業計画書、個人情報適正管理規程、業務の運営に関する規程、手数料表などを作成します。
- 4労働局へ申請事業主(本社)の所在地を管轄する労働局へ申請します。
- 5審査・許可審査を経て厚生労働大臣の許可を受け、許可証が交付された後に事業を開始することとなります。
許可更新の場合
- 1事前の点検事業報告書・変更届の出し漏れ、職業紹介責任者講習の受講時期を確認します。
- 2申請書類の作成決算書類や納税証明書を取り寄せ、更新申請書・事業計画書を作成します。
- 3労働局へ申請許可の有効期間が満了する日の3か月前までに申請します。
6 更新の前に確認しておきたいこと
私が労働局で職業紹介事業者の調査を担当していた際、次の点について指導することが多くありました。いずれも、更新の申請の前に整えておきたいものです。
(1)人材サービス総合サイトに前年度の実績を入力していない
職安法第32条の16第3項により、職業紹介事業者は、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」で、就職者数、無期雇用で就職した方の数とそのうち6か月以内に離職した方の数、手数料、返戻金制度などの情報を提供することとなります。毎年度の実績を入力する必要がありますので、ご注意ください。
(2)紹介の実績がないからといって、事業報告書を提出していない
「うちは紹介の実績が0件だから、事業報告書は出さなくていい」と思われている方もいるようですが、これは間違いです。職安法第32条の16第1項により、事業報告書は紹介の実績がない場合でも提出する必要があります。提出漏れがあると、更新の申請に先立って提出することを求められます。
(3)取扱職種の範囲等の明示の書類を作成していない
職安法第32条の13により、職業紹介事業者は、求人者・求職者に対して、取扱職種の範囲等、手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項、個人情報の取扱いに関する事項、返戻金制度に関する事項を明示しなければならないこととなります。明示のための書類そのものを作成していないという事業所は、少なくありません。
(4)変更届を提出していない
役員や職業紹介責任者の交代、事業所の移転などがあった場合は、変更の届出が必要となります(職安法第32条の7)。更新の時期になって、届出の漏れに気づくことがありますので、ご注意ください。
(5)職業紹介責任者講習の受講から5年を過ぎている
先ほどもお話ししたとおり、更新の場合は、許可の有効期間が満了する日の前5年以内に講習を受講している必要があります。講習は日程が限られていますので、早めにご確認ください。
このほか、求人票(労働条件の明示)や求人管理簿・求職管理簿の記載など、労働局の調査で確認される点は、「有料職業紹介事業の労働局調査への対応」のページで詳しく説明しています。
7 労働者派遣事業の許可もお持ちの会社の方へ
派遣会社の中には、有料職業紹介事業の許可もあわせてお持ちの会社が多くあります。
私の経験上、両方の許可をお持ちの会社では、派遣と職業紹介の調査が同時に行われることが多くありました。
したがって、派遣の書類だけを整えていても、職業紹介の書類に不備があれば、同じ日に指導を受ける可能性があります。許可の更新の際には、両方の事業の書類をあわせて点検しておくことをおすすめします。
労働者派遣事業の許可については「派遣の新規許可・許可更新」、派遣の調査については「労働局の調査対応(派遣)」のページをご覧ください。
労働局の調査で確認されやすい点、指導を受けやすい書類の不備を、労働局で調査を担当していた立場から説明しています。
有料職業紹介事業の労働局調査への対応を見る8 弊所のサービス内容と料金
| 業務 | 内容 | 報酬(税別) | 実費(法定費用) |
|---|---|---|---|
| 新規許可 申請代行 | 許可要件の確認から、申請書類・個人情報適正管理規程・業務の運営に関する規程・手数料表の作成、労働局への申請までを代行します。 | 150,000円~ | 収入印紙 50,000円(2事業所目から1事業所あたり18,000円) 登録免許税 90,000円(1法人あたり) |
| 許可更新 申請代行 | 事業報告書・変更届の提出状況、人材サービス総合サイトへの入力状況を確認したうえで、更新申請書類の作成・提出を代行します。 | 120,000円~ | 収入印紙 18,000円(1事業所あたり) |
上記は標準的な報酬額です。事業所の数や規程類の整備状況によって異なりますので、お話を伺ったうえでお見積りいたします。労働者派遣事業の許可とあわせてご依頼いただく場合も、ご相談ください。
